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2019/09/18
粉体塗装は前処理が重要 ~粉体塗装が剥がれるのはなぜ?~
  • 粉体塗装製品 カーブミラー柱

粉体塗装における前処理の重要性

たまにある質問で『粉体塗装は性能がいいので前処理はテキトウでいい?』というものがあります。当社は、粉体塗装を行う際の『前処理』は溶剤形塗装よりも重要かつ注意が必要になると考えています。一般的に粉体塗装は1回塗りで工程を完了させることが多くなります。屋外製品の場合はポリエステル樹脂粉体塗料が多用されますが、1コートであるがゆえに母材への付着性と、太陽光(紫外線)への耐久性を単膜で担う必要があります。しかしながら、現在の樹脂技術では付着性と耐候性は相反する樹脂特性を必要としています。たとえば付着性が非常にいい塗料(たとえばエポキシ樹脂)は耐候性が極めて悪い傾向にあり、逆にポリエステル樹脂は耐候性に優れるが、付着性はエポキシに及ばないことが知られています。さらに、塗料の硬化収縮および冷却時には塗膜に内部応力が発生するだけでなく、膜厚が厚いと内部応力はより強くなる傾向にあります。そのため、硬化反応を伴い厚膜を形成する粉体塗装は、成膜後の内部応力が非常に高い状態になるわけです。その状態で付着のカギを握る前処理が不適切な場合は、容易に剥離が起こり得ることになります。

対して溶剤形塗装の場合は膜厚確保のために2~3回の塗り重ね塗装をすることが一般的ですが、合計膜厚は一般的に粉体塗装よりは薄い。また、1回目の塗装は付着性に優れるエポキシを、2回目以降を耐候性に優れるウレタンやアクリルなどを使用することで、付着性と耐候性の役割分担を行うことができます。つまり薄膜かつ上下膜で機能の役割分担ができる溶剤塗装は、前処理の不備を救ってくれる可能性があることになります。(だからといって前処理をいい加減にすると下塗りがエポキシであっても剥離するので注意してください!

繰り返しになりますが1コートで仕上げたい粉体塗装は、前処理が付着性を左右する重要な工程になります。当社では剥がれない塗膜を得るために不可欠な要素は、『前処理』と『焼付け』としています