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2019/09/24
クロムフリー化成処理への取組み
  • クロムフリー化成処理

愛知県の粉体塗装専業、筒井工業株式会社はアルミニウム合金材料へのクロムフリー化成処理の実用化を成し遂げました。

 国内の高層ビルなどで使用されるアルミサッシや外装アルミパネルの塗装においては溶剤形ふっ素樹脂塗装が採用されることが多いのですが、欧州やアジア諸国では環境配慮の視点や仕上がりの多様性から粉体塗装が用いられることが一般的になっています。そうした海外の動向に遅れること20年、ようやく国内のビル建材にも環境配慮型塗装仕様を求める声が聞かれるようになりました。そんな中で粉体塗装はVOCフリーにより環境配慮はできるのですが、素地調整(前処理)においては六価クロムを含むクロム酸クロメート処理が主流になっていたため、素地調整においても環境や作業者への配慮から、発がん性のある六価クロムを含まない処理の適用が望まれるようになりました。そこで当社でもクロムフリー化成被膜処理に粉体塗装を施した試験体レベルの性能検証をスタートさせたところ、処理条件や使用する塗料種によって性能にばらつきがあることがわかりました。さらにクロムフリー化成被膜処理(ジルコニウム系やチタニウム系)は得られた皮膜が無色透明であることから、処理が適切になされたかどうかを外観評価で判断するのが困難であることも容易な量産化を阻んでいました。これらのことから、量産プロセスの確立においては、何を持ってプロセスパラメーターが正しいと言えるのかをすべて検証しておく必要があると考えるに至りました。当社では2013年にL6.5mのクロムフリー化成被膜処理槽を導入し、長尺アルミニウム形材を用いて約3年にわたり試行錯誤を繰り返した結果、処理工程の様々なパラメーターの根拠を得ることができました。本研究の成果が実り、現在は六価クロムフリーであるりん酸クロメート処理とふっ素ポリエステル複合樹脂粉体塗料による仕上げにより東京都内の超高層ビル案件のアルミサッシを量産塗装しています。また、こうした取り組みが評価され、2018年に日本建築仕上学会の学会賞技術賞を受賞しました。会社としての取り組み姿勢を評価いただいたものと思い、感慨深いものがあります